首都圏の古い官舎(公務員宿舎)の家賃や引越し費用、ご近所付き合いについて
目次
初めて公務員宿舎(官舎)に住む場合、世の中にあまり情報が出回っていない為に不安だと思います。そこで私が住んでいる公務員宿舎(官舎)の事情を書いてみようと思います。
公務員宿舎(官舎)はかなり古い建物です
一口に公務員宿舎(官舎)と言ってもその場所が東京都内か、もしくは首都圏かによっても家賃や引越し費用など随分と変わってきます。
ただ一般的には公務員宿舎の数はどんどん減らされていて、残っているものも本来取り壊し予定だったものが大型の耐震補修をしたので取り壊せなくなった為、築年数が30年以上のものが殆どだと言うことです。ちなみに耐震補修をするとその時点から20年は取り壊さないそうです。
首都圏の公務員宿舎(官舎)の家賃相場
首都圏と言っても法律で定められている首都圏の茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県の1都7県ではありません。ここでは通勤時間が2時間以内に収まる東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県を指すのが普通です。民間と同じく公務員宿舎(官舎)も都心から離れ、築年数が経過しているものほど家賃は安くなります。
例えば古い公務員宿舎(官舎)で家族で住む場合(c規格)の一般的な家賃(間取り:3DK)の一例は、
1、埼玉県 築53年 延床面積:56m2 間取り:3DK
霞ヶ関まで電車通勤で約1:30 →家賃:約7,600円
2、東京都23区内 築50年 延床面積:56m2 間取り:3DK
霞ヶ関まで電車通勤で約45分 →家賃:約31,000円
3、東京都23区外 築51年 延床面積:64m2 間取り:3DK
霞ヶ関まで電車通勤で約1:00 →家賃:約22,200円
と同じ間取りで築年数が同じでも場所によってかなり差があります。ちなみに築年数が浅い場合
4、東京都23区外 築10年 延床面積:68m2 間取り:3LDK
霞ヶ関まで電車通勤で約1:20 →家賃:約42,900円
ちなみに幹部用だと延床面積は80m2 とかなり広くなり、家賃も跳ね上がります。
5、東京都23区内 築30年 延床面積:80m2 間取り:3LDK
霞ヶ関まで電車通勤で約50分 →家賃:約139,000円
と、家賃は2倍近く高くなります。それでも民間の家賃と比べれば破格の安さです。実際の写真付きの部屋の様子は公務員宿舎(官舎)や古い団地(URや公営)の間取りや部屋にあるものに書きましたので参考にしてみてください。
単身向け(独身者向け)で住む場合(a規格)の場合の例としては
⑴埼玉県 築25年 延床面積:24m2 家賃:約9,600円
⑵東京都23区外 築10年 延床面積:24m2 家賃:約12,200円
単身向けの部屋自体の数が少ないので、空きがない場合は家族用(c規格)が当てられるようです。
公務員宿舎(官舎)の部屋が割り当てられる基準
自分が所属する省庁に公務員宿舎(官舎)に住みたい希望を伝えると現在空きがある公務員宿舎(官舎)の一覧が貰えます。この一覧には住所、築年数、広さ、家賃、間取り、そして職場までの通勤時間が記載されています。
この通勤時間は公務員宿舎(官舎)から霞ヶ関(または自分が勤務する省庁の建物)まで公共機関で約2時間以内で設定されています。
公務員宿舎(官舎)の部屋は一覧から選び、第3希望まで伝える事が出来ます。しかし必ずその希望が通るとは限りません。噂によると公務員宿舎を管轄している財務局の職員は希望が通りやすいとも聞きますが真意は不明です。
また各省庁単位で部屋数の割り当てが決まっている為、その部屋数が少ない官庁の場合は部屋の希望すらも言えない場合もあります。どの省庁に所属するかで様子は大きく変わってくるようです。
また一度官舎に住みたいという希望を出したらキャンセルする事が出来ません。公務員宿舎(官舎)に住むかどうかよく考えてお申し込み下さい。
引越し手当について
引越し手当は赴任(ふにん)旅費と言う名前で支給されます。例えば他府県から首都圏に引越す場合「引越し代金+片道の交通費」は新居で同居する家族の分も支給されます。以前は全額負担されないので引っ越し代の節約にみな知恵を絞っていたのですが、現在は公務員宿舎に引っ越す場合のみ引っ越し業者に支払った額が全額支給されます。(民間の住居に引っ越す場合は赴任旅費の引越し費用は支払われませんのでご注意を!)
赴任旅費は大体2ヶ月後ぐらいの忘れた頃に他の出張費用などと一緒に支給されました。
ちなみにこの赴任旅費は他府県から首都圏に引越す場合は問題ありませんが、同じ都道府県内で引越しする場合は注意が必要です。例えば…
1、東京23区外から東京23区内への引越しの場合
赴任旅費は支給対象
2、東京23区内から東京23区内への引越しの場合
割り当て当てられた公務員宿舎の住所(新居)と現在の住所を比べた時、新居の方が勤め先(霞ヶ関)への通勤時間がかかる場合
赴任旅費は支給非対象
3、東京23区外から東京23区外を含む首都圏への引越しの場合
赴任旅費は支給非対象
となります。
上記をまとめると、仮に東京に住んでおり転職して公務員宿舎に引越しする場合、
⑴公務員宿舎(官舎)のより好みは出来ない
⑵希望は通らないかもしれない(現在の家よりも通勤に時間がかかる場所になるかもしれないし、希望者が多い場合は割り当てすらないかもしれない)
⑶公務員宿舎(官舎)の申し込みをしたらキャンセル出来ないので必ず引越さなければならない
⑷現住所が東京都内の場合、新住所が23区内でないと赴任費用は支給されない
⑸赴任費用が支給されるのは着任から1ヶ月以内のみなので実質転職(就職)が決まった段階で公務員宿舎(官舎)に入居するか決めなければならない
というなかなか精神的にハラハラさせられる展開が待っています。
さて、公務員宿舎が決まったらいよいよ引越しですが、その時に気をつける事があります。
赴任旅費が支給されない場合
- 赴任旅費は遠い所からより勤務地へ近い所に引越しする場合に限り支給される。
- 赴任旅費は自分や友達だけで車で荷物を運んだり、便利屋さんなどに依頼した場合も引越し代金は支給されないので注意してください。引越し業者や宅配業者を使用し、必ず領収書をもらいます。
- 所属する省庁によって多少日にちのズレはありますが、赴任旅費は大体着任日の1ヶ月前から着任後1ヶ月以内に引越さないと支給されないのでご注意下さい。
例えば1月に辞令が内示されて4月1日が着任日の場合は3月から4月末までの2ヶ月の間に引っ越さなければなりません。
これはどういう事かというと「引越し費用がめちゃくちゃ高い3月から4月頭に引っ越さないといけない」という事です。しかも4月1日着任の場合、4月1日からしか入居出来ない場合が殆どです。 この時期、引越し業者さんはかなり強気で値段をふっかけてくるので通常の2倍の価格は覚悟しないといけません。引越し時期を4月半ばにするのが1番の得策ですが、それができない人にお薦めなのが、以下の方法です。
ゆうパックで引越し
荷物は自宅に引き取りにきてくれて、決められた料金で引越し先へ荷物を配送してくれるのがゆうパックです。荷物を預けた日から10日後まで配送指定が出来ます。例えば3月29日にゆうパックで新居宛に荷物を発送すると最長で4月8日に新居で荷物を受け取る事ができます。
段ボールは自分で購入したり、スーパーやドラッグストアから貰ってくる必要はありますが、通常の引越し業者を使ったプランでも自分で荷物を詰める場合が多いです。引越し業者もゆうパックもその点での手間はさほど変わりません。
ちなみにゆうパックは【縦×横×高さ=170㎝まで】【重さ25kgまで】のものならば全国に決められた金額で配送してくれます。また重量ゆうパックは【縦×横×高さ=170㎝まで】【重さ25kgから30kgまで】で対応してくれます。
ちなみに引越し業者が用意してくれる段ボールのMサイズ(大きい方)が大体ゆうぱっくの110〜140サイズです。
効率の良い詰め方や引越しの段取りなどは最強の引越し方法とその手順 ☆ 私、8年で6回の引っ越しをしましたに書かれているので是非一度は読んでみてください。
家電や家具はどうするのか?
引越しを機に買い換える家電があるならば家電量販店に行き、古い物は今住んでいる場所で処分、新しく購入したものは新居に配送してもらいます。上手くいけば古い家電は家電量販店に引き取って貰えます。今や物を捨てるのにもお金がかかる時代です。少しでも使えるサービスを利用します。家具やベットなども同用の方法で対応します。
また購入せずにそのまま持って行きたい時は大型の家具家電の配送をしてくれるヤマトの家財宅急便で送ります。荷物は発送日から最長7日間後まで配送指定ができます。しかしこれも3月から4月の引越し繁忙期は予約が取りにくい事が多いので早めの予約が大事です。
ヤマト家財宅急便
また、家電などは取り外しや運搬する事で壊れやすくなります。家具もニトリやIKEAを利用すればかなり安く買えるので長距離の引越しならば、私はゆうパックに入らないものは新しく買う方法を選択します。
令和2年6月から制度が変わりました
以前は赴任手当は距離と家族の人数に基準があり、支給額も定額だった為この方法で赴任旅費の範囲内で引越し費用が収まりました。しかし令和2年6月から定額ではなく実際に(引越し)業者に支払った金額が支給されるのようになりました。ですから引越し業者はもちろん、ゆうパックやヤマトをフル活用すれば持ち出し費用がなく引越しすることができるようになりました。