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マングローブ植物☆ヒルギダマシ(蛭木騙し)学名:Avicennia marina

2019年3月10日

 

Grey Mangrove which lives in Miyakojima-island (Okinawa’s remote-island). Please click translation function on the upper right side of the screen.

 

マングローブ林は海側から順番に生える植物が大体決まっていて、海に近い方を内側として【メヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ】が生え、外側に【オヒルギヤエヤマヒルギ】が生えます。

 

 

ヒルギダマシは夏になると黄色の花が咲きます。

 

 

半胎生(はんたいせい)植物といって、木の上で果実の中で発芽し、落下して泥土に突き刺さった瞬間から果実を突き破って成長しはじめます。その場でうまく突き刺さらなかった場合は、他のマングローブ植物同様に海水に浮いて流されることで分布域を広げます。

 

ヒルギダマシ(蛭木騙し)
学名:Avicennia marina
キツネノマゴ科ヒルギダマシ属

世界的には広く分布していますが、日本での北限は本来、宮古諸島と八重山諸島で絶滅危惧IBに指定されています。増やそうと沖縄本島や屋我地島(羽地内海)に移植したところ予想以上に繁殖して、自生する他のマングローブへの影響が心配されていて、駆除も検討されています。

 

ヒルギダマシ(蛭木騙し)Avicennia marina
ヒルギダマシ(蛭木騙し)Avicennia marina

上写真中央に生える背の高いヤエヤマヒルギの両脇に生えているのがヒルギダマシです。ヒルギダマシの一番の特徴は筍根(じゅんこん)とよばれる呼吸根(こきゅう)にあります。

 

 

呼吸根とは

マングローブ植物は潮が満ちて自分のからだが海水で満たされると呼吸することができず、酸素を得る事ができません。そこで根の細胞の隙間を大きくして(スポンジ根)、その一部を地面からだして根から直接呼吸する仕組みを呼吸根といいます。そのため、根を触ると普通の木の根よりもやわらかいです。

 

筍根とは

ヒルギダマシは干潟(ひがた)の泥の中に放射状に根を広げ、すこしでも効率よく酸素を吸収するため、その根の一部を地面から突き出しています。その見た目が筍(たけのこ)に似ているので筍根(じゅんこん)と呼ばれていて、とても柔らかい棒のようです。また根にも葉緑素を持っていて光合成をします。

ちなみにマングローブ植物には筍根の他にも2種類の呼吸根があります。オヒルギ、メヒルギは人間の膝に似ているので膝根(しっこん)、ヤエヤマヒルギはタコ足のようになっているので支柱根(しちゅうこん)とそれぞれ呼ばれています。

 

葉に光があたると何かが光っている

ヒルギダマシの葉には塩類腺(えんるいせん)があります。塩類腺は、海水の塩分をからだの外に出す機能で、葉の表裏にあります。夏になると塩類腺から出された塩分が結晶化して光に当たってキラキラと光っています。オヒルギやメヒルギ、ヤエヤマヒルギが塩分を一枚の葉にためて体の外に出すのと似た仕組みです。

 

2019年3月10日

Posted by hana