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メヒルギ (雌漂木) 学名:andelia obovata

2019年3月8日

 

Seven types of mangroves which live in Okinawa. Please click translation function on the upper right side of the screen.

 

マングローブって何?

マングローブという植物の種類があるわけではなく、海水と淡水(川の水)がまざりあう汽水域(きすいいき)で成長することができる植物を総称してマングローブといいます。海の潮が引いているとき(干潮時)には普通の森にみえるけど、海水で満ちているとき(満潮時)には海から木々が生えているように見える「海の森」です。

その満ち引きの中でマングローブの根元に小魚が隠れ家として集まってエビやカニ、貝類やトビハゼなどが集まってきます。その小さな生き物を餌としている鳥たちも集ってくるので、様々な生き物たちが生活できる豊かな生態系がマングローブには出来ています。これを「生命のゆりかご」と呼びます。

 

木の上で種をつくる

「胎生種子」といって樹木についたまま果実の中の種子が発芽します。発芽した種子が下の写真の様に10~20cmの棒状になると落下して突き刺さり成長を開始する仕組みになっています。仮に落下した時にうまく地面に刺さらなくても川や海に流されたりなどして、流れ着いた場所で根を張り、葉を出します。

ちなみにマングローブは日本語で「ひるぎ」。漢字で書くと漂う木で「漂木」と書きます。

 

黄色い葉の秘密

オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギに共通しているのですが、それぞれの根本をみると黄色い葉ばかりが落ちています。それは植物が一枚の葉に塩分を集めて、その葉を切り離すことで体の外に塩をだしているのです。まだ木についている葉を見ると緑の葉の中に黄色い葉が混じっていているのが分かります。

 

7種類のマングローブ

日本のマングローブはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギヒルギダマシ、ヒルギモドキ、マヤプシキ、ニッパヤシの7種類です。

その中でヒルギ科に属するのメヒルギ、ヤエヤマヒルギオヒルギの3種類です。

マングローブ林で川に一番近いところに生えているのがメヒルギです。

メヒルギ

メヒルギ(雌漂木)
学名:andelia obovata
ヒルギ科メヒルギ属

マングローブ林で川に一番近いところに生えている背の低いものがメヒルギです。同じヒルギ科のオヒルギと比べて華奢な為、メヒルギという名前が付いたそうです。

 

葉につやがあり、胎生種子は細長い緑色。白い花が咲き、花の先端は糸状になっています。’上写真)奄美大島の特産品である大島紬(おおしまつむぎ)にはメヒルギの樹皮が染料として使われています。

 

メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata

※上写真は手持ちの写真がなかったため、林野庁の公式ホームページよりお借りしました。

メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata
メヒルギ(雌漂木) 学名:andelia obovata

 

メヒルギオヒルギヤエヤマヒルギに比べて海水に弱いので(耐塩性が弱い) 淡水である川の下流域によく生えます。しかし、メヒルギ自体が背も低く、胎生種子として地面に落下した時に刺さりやすいため、気候条件などがあえば他の種類の植物より早く定着することができるパイオニア植物です。初期の段階では低木として成熟し、群生を作る様子を上からみるとテーブルの様に見えます。そのテーブル状態が安定すると今度は背の高い種類が現れ始め、あらたに群生を作っていきます。

 

2019年3月8日

Posted by hana