第29回はり師きゅう師国家試験(問題132~136)東洋医学臨床論のざっくりとした解説付き
目次
- 1 第29回はり師きゅう師国家試験(問題132~136)東洋医学臨床論
- 1.1 クイズ形式(問題132~136)
- 1.2 問題と解答一覧
- 1.2.1 【問題132】 次の文で示す症例で罹患神経の絞扼部位に対する刺鍼部位として最も適切 なのはどれか。 「33 歳の女性。主訴は右手掌の母指から環指橈側にかけての痛みとしびれ。妊娠中に発症し、出産後、家事と育児で症状が増悪し、物がつまみにくくなった。」
- 1.2.2 【問題133】L4 ‒ L5 間の後外側への椎間板ヘルニアによる下肢の痛みに対する局所治 療穴として最も適切なのはどれか。
- 1.2.3 【問題134】次の文で示す症例の拘縮がみられる筋に対する局所治療穴として最も適切 なのはどれか。 「73 歳の女性。主訴は左股関節の痛み。 3 か月前から痛みがひどくなった。エッ クス線検査にて軟骨下骨の硬化、骨棘形成がみられた。トーマステストは陽性、トレンデレンブルグ徴候とエリーテストは陰性。」
- 1.2.4 【問題135】 次の文で示す症例の神経絞扼部に対する刺鍼部位として最も適切なのはど れか。 「28 歳の女性。職業は鍼師。回外位で左前腕にカバンを引っかけて持つことが多く、内側上顆から肘窩内側縁に沿った張り感とともに左手掌橈側にしびれを自覚する。最近、左手で艾を捻ることが困難である。」
- 1.2.5 【問題136】次の文で示す症例の罹患筋に対する刺鍼部位として最も適切なのはどれか。 「20 歳の男性。右利き投手。オーバースロー投球時のコッキング期に右肩峰の前下方に痛みが出る。インピンジメントテスト陽性。」
第29回はり師きゅう師国家試験(問題132~136)東洋医学臨床論
第29回はり師きゅう師国家試験問題(問題132~136)東洋医学臨床論をクイズ形式にしたものと一問一答(ざっくりとした解説付き)です。
クイズ形式(問題132~136)
問題と解答一覧
【問題132】 次の文で示す症例で罹患神経の絞扼部位に対する刺鍼部位として最も適切 なのはどれか。
「33 歳の女性。主訴は右手掌の母指から環指橈側にかけての痛みとしびれ。妊娠中に発症し、出産後、家事と育児で症状が増悪し、物がつまみにくくなった。」
1.肘頭と上腕骨外側上顆の間
2.肘頭と上腕骨内側上顆の間
3.橈側手根隆起と尺側手根隆起の間
4.豆状骨と有鈎骨鈎の間
【正解・解説】3
物がつまみにくくなった→(ティアドロップサインやパーフェクトO不調など)正中神経麻痺
3.橈側手根隆起と尺側手根隆起の間
【その他の選択肢】
1.肘頭と上腕骨外側上顆の間
2.肘頭と上腕骨内側上顆の間
4.豆状骨と有鈎骨鈎の間→尺骨神経
【問題133】L4 ‒ L5 間の後外側への椎間板ヘルニアによる下肢の痛みに対する局所治 療穴として最も適切なのはどれか。
1.承 筋
2.陰 谷
3.地 機
4.足三里
【解答・解説】4
L4‒L5間の後外側への椎間板ヘルニアの場合、L5の神経根が圧迫されている。デルマトームで見ると
4.足三里
【その他の選択肢】
1.承 筋
2.陰 谷
3.地 機
【問題134】次の文で示す症例の拘縮がみられる筋に対する局所治療穴として最も適切 なのはどれか。
「73 歳の女性。主訴は左股関節の痛み。 3 か月前から痛みがひどくなった。エッ クス線検査にて軟骨下骨の硬化、骨棘形成がみられた。トーマステストは陽性、トレンデレンブルグ徴候とエリーテストは陰性。」
1.居 髎
2.衝 門
3.秩 辺
4.髀 関
【解答・解説】2
トーマステストは陽性→股関節拘縮(腸腰筋短縮)、トレンデレンブルグ徴候が陰性→中殿筋麻痺・先天性股関節脱臼
2.衝 門 (肝経) →腸腰筋
【その他の選択肢】
1.居 髎(胆経) →大腿筋膜張筋
3.秩 辺(膀胱経)→大殿筋・中殿筋
4.髀 関(胃経) →大腿筋膜張筋・大腿直筋・縫工筋
【問題135】 次の文で示す症例の神経絞扼部に対する刺鍼部位として最も適切なのはど れか。
「28 歳の女性。職業は鍼師。回外位で左前腕にカバンを引っかけて持つことが多く、内側上顆から肘窩内側縁に沿った張り感とともに左手掌橈側にしびれを自覚する。最近、左手で艾を捻ることが困難である。」
1.孔最と少海の間
2.曲池と曲沢の間
3.間使と大陵の間
4.手三里と支正の間
【解答・解説】1
左手で艾を捻ることが困難とあるので「指でものを挟みにくい」回内筋症候群、正中神経麻痺が疑われる。
1.孔最(肺経)と少海(心経)は共に円回内筋上の経穴である。
【その他の選択肢】
2.曲池(大腸経・長短橈側手根伸筋)と曲沢(心包経・上腕二頭筋)の間
3.間使と大陵の間 (心包経・橈側手根屈筋や長掌筋腱)
4.手三里(大腸経・長短橈側手根伸筋)と支正(小腸経・尺側手根屈筋)の間
【問題136】次の文で示す症例の罹患筋に対する刺鍼部位として最も適切なのはどれか。 「20 歳の男性。右利き投手。オーバースロー投球時のコッキング期に右肩峰の前下方に痛みが出る。インピンジメントテスト陽性。」
1.秉 風
2.肩 貞
3.天 宗
4.肩外兪
【解答・解説】1
インピンジメントテスト陽性なので野球肩が疑われる。
1.秉 風 → 棘上筋
【その他の選択肢】
2.肩 貞 → 三角筋
3.天 宗 → 棘下筋
4.肩外兪 → 肩甲挙筋