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使っていなかった感覚や体の機能を呼び覚ます☆三鷹天命反転住宅【東京:三鷹】

2019年12月15日

 

The “Reversible Destiny Lofts Mitaka (In Memory of Helen Keller),” built by architects/artists Shusaku Arakawa and Madeline Gins, are the first residential units designed “to not to die.”☆Travel Information of Tokyo. Please click translation function on the upper right side of the screen.

 

養老天命反転地

昔、Google mapの初期のCMに出てきた「養老天命反転地」をご存知でしょうか?VMでは女性が斜めに立っているのに倒れないという不思議な公園です。

 

 

養老天命反転地は、岐阜県にある養老公園内にある施設です。芸術家である荒川修作と公私共にパートナーであるマドリン・ギンズが完成させた公園という形をとった壮大なアート空間です。

養老天命反転地は公園なのに地面が平らではなく普通に歩いているとバランス感覚を失って転んでしまいます。この命の危険を感じて新しい体の使い方を感じるということが荒川修作とマドリン・ギンズの掲げた「死なないため」というテーマだと私は思います。自分の身体の感覚の不安定さ・危うさを楽しむことを目的として作られ、日常生活では触れる機会の少ない錯覚感、不安定な感覚を体全体で味わうことによって人間本来の感覚を再確認することを二人は主要なテーマとして掲げています。

 

この荒川修作とマドリン・ギンズが一切妥協せず自分達の思いのままに作った集合住宅が東京の三鷹にあります。

ちなみにアニメ「ワンピース」のメンバーが登場するアプリ「MEMU」のCMでルフィが手をぐーんと伸ばしてデリバリーされた食べものが入った紙袋を受け取るシーンがあるのですが、それがここです。

 

 

三鷹天命反転住宅インメモリーオブヘレンケラー

実際に暮らしたり、ホテルの様に泊ったりすることができる三鷹天命反転住宅ですが、おおまかなコンセプトは養老天命反転地と同じです。部屋の中はでこぼこしていたり、部屋自体が球体だったりして、自分の身体の感覚の不安定さ・危うさを感じて楽しみ、床が平らでないことで起こる錯覚感や不安定な感覚を体全体で感じながら生活することよって人間本来の今使っていない感覚を呼び覚ますような部屋になっています。副題のインメモリーオブヘレンケラーは目の見えなかったヘレンケラーが初めて水に触れた時に得たような感動を自分達も得る為の家という意味です。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

この三鷹天命反転住宅は普段は普通に暮らしている人がいるので立ち入ることはできませんが、定期的に開催されるイベントに参加することでこの家を体験することができます。

私が参加したのは「建築する身体の見学会」です。90分のコースの中でまずは目が見える状態で家の中を探検します。デコボコの床を素足で感じ、壁に触ったり、球体の部屋に横たわってみたり、思い思いに部屋を散歩します。

建物の外観もそうですが、室内も14色の色が使われていてどこを見ても常に6色以上が見えるように設計されています。これは人は一度に6色以上が視界に入ると脳が勝手に「全体の色」としてバランスを取って違和感を感じさせなくなるそうです。初めは派手だなと思っていた多色使いが逆に脳にはよい影響を与え、しばらくすると違和感なく受け入れているそうです。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

室内なのに半分外にいるかのような気持ちなるのはこの部屋が一番光をたくさん受けていたからだと思います。

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

よく見ると窓の形も一つ一つ違います。作るのにはものすごいお金がかかる為、初めはなかなか実現しなかったそうです。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

球体の部屋。寝転ぶのは簡単ですが、立ち続けているのはとても疲れます。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

丸見えのシャワーブースの後ろに扉のないトイレがあります。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

建築する身体の見学会

参加者全員が目隠しをして、自分がいた場所からとなりの部屋にゆっくりと移動するというのかこのイベント最大のプログラムです。係りの方の掛け声とともに一斉に人が動くわけですから「ぶつかるんじゃないか」と思ってなかなか思うように体を動かすことが出来ません。係りの方はケガするような危ない事がない限りは声をかけてくれません。こうやってヘレンケラーの世界をこの家で体感することができます。

荒川修作とマドリン・ギンズの掲げた「死なないため」というテーマはこの住宅にも確実に反映されていて、生きていくために新しい感覚を呼び覚まそうとします。例えば目隠しされていると不思議なことに明るい方へ明るい方へと歩いて行ってしまうようで窓に向かって歩いている人がたくさんいました。また手で壁を伝いながら歩く人は指先がいつもよりも過敏になっていましたし、目隠しがないときは歩きにくかったでこぼこの床は逆に歩きやすくなっていました。自分の感覚が開いていくような不思議な体験でした。

 

事務所

イベントが終わった後は事務所に移動します。事務所には先ほどの部屋と同じ間取りの模型が置かれていて改めてみると普通に生活するのは難しいように見えました。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

それでも目隠しのイベントで使用した部屋は物がなく生活感はありませんでしたが、事務所は同じような間取りでも物にあふれ、人が活動していました。模型を見る限り普通に生活することは難しそうなのに事務所は生活感であふれていてちゃんと生活できる部屋になっている矛盾がおもしろかったです。

三鷹天命反転住宅は最終的にはこの形にしたいそうです。

 

三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅

 

ホームページ

 

三鷹天命反転住宅たてもの見学会

普段は入る事が出来ないこの三鷹天命反転住宅に入ることができるイベントがあります。

コース1 解説を聞きながら住宅を知る

学芸担当者が案内してくれる見学会です。住宅に込められたコンセプトや設計者の荒川修作+マドリン・ギンズについての解説を聞きながら、住宅内部を見学・体験するプログラムです。【対象年令】誰でもOK

コース2 からだで感じよう!

身体の可能性をキーワードに、参加者がワークショップを体験して住宅と関わるプログラムです。【対象年令】小学生以上一般

所要時間: 1時間30分
参加費用: 大人 ¥2,700 子供(小・中・高校生) ¥1,000 幼稚園以下 無料 

※ 三鷹割引三鷹市在住、在学、在勤の方は500円割引です。また、複数コースを一度にご参加の方は、ご参加2コース目より500円割引です。

 

三鷹天命反転住宅で暮らす

この住宅は実際に生活することも出来ます。2019年9月現在では満室のため募集はされていませんが、空きが出ると募集が再開されます。

 

三鷹天命反転住宅に泊る

ずっと住むのは大変そうですが、手軽にこの家を体験できる宿泊体験もあります。3泊4日以上からで4名の部屋(3LDK)と2名の部屋(2LDK)の2タイプがあります。シーズンによって値段も変わりますが基本料金は以下です。

  1. 3LDK(4名まで) 施設利用料 26,000円 + 滞在費(※) 1日 11,800円 〜 ※ 追加人数料金:1名につき3,000円(1日)
  2. 2LDK(2名まで) 施設利用料 26,000円 + 滞在費(※) 1日 10,800円 〜 ※ 追加人数料金:1名につき3,000円(1日)

※ご利用日数が4日以上の場合でも施設利用料は同じです。10日以上ご利用の場合は滞在費が10% OFFとなります。 

詳しいことは以下の申し込みページをご覧ください。

 

 

アクセス

名前:三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー
住所:東京都三鷹市大沢2-2-8 

※普通に人が暮らしている集合住宅のため三鷹天命反転住宅の敷地内への許可のない人は立入り禁止です。見学会にご参加ください。

バス便はJR武蔵境駅、三鷹駅、吉祥寺駅、京王線・調布駅からアクセスが可能です。

武蔵境駅 (南口) 小田急バス

境91 狛江駅(調布駅経由)行 大沢下車 所要時間:8分
吉01 吉祥寺駅行 大沢下車 所要時間:8分

三鷹駅 (南口) 小田急バス

鷹51 武蔵小金井駅行 大沢十字路下車 所要時間:17分
鷹52 朝日町三丁目行 大沢十字路下車 所要時間:17分

調布駅 (北口) 京王バス

武91 武蔵小金井駅行 大沢十字路下車 所要時間:16分

調布駅 (北口) 小田急バス

境91 武蔵境駅行 大沢下車 所要時間:16分

吉祥寺駅 (南口) 小田急バス

吉01 武蔵境駅南口行 大沢下車 所要時間:25分

 

バス降り口のご案内

 

 

2019年12月15日

Posted by hana