エジプトの青いカバが常設展示されている✰三笠宮殿下の研修成果を展示した中近東文化センター【東京都三鷹市】

2019年6月12日

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The Middle Eastern Culture Center in Japan☆Museum Information in Tokyo. Please click translation function on the upper right side of the screen.

 

中近東文化センターとは

三鷹市にある中近東文化センターは三笠宮崇仁(みかさのみやたかひと)殿下の研究結果「中近東の歴史的文化」を、出光興産の創業者である出光佐三氏が全面的に協力して開館した博物館であり、アナトリア考古学研究所でもあります。

 

予約について

前日までに来館予約が必要です。祝日を除く月曜、火曜、水曜、金曜の午前10:00~午後5:00まで開館しているので、その間に電話予約しなければならないので、お勤めしているとなかなかハードルが高いです。私が行ったときも見学者は誰もおらず、受付を済ませたらあとは館内に一人っきりで自由に見て回ることが出来ました。

 

展示物と写真撮影

入館料は1,000円ですが、それと引き換えに本物のパピルスが貰えます。4種類あるので好きな絵柄のものを選ばせてくれました。もし他の絵柄も欲しければ一枚100円で買うことが出来ます。

パピルス 中近東文化センター
パピルス 中近東文化センター

 

中近東文化センター附属博物館

中近東文化を展示したエリアは基本的に写真は撮り放題でした。平日は正門のシャッターが下りていて通用門から入ったので帰る時まで気が付かなかったのですが、入り口正面にはハンムラビ法典(複製)が展示されていました。

まず入って一番に目につくのは私が一番見たかったものです。

※名前の前に★印が付くものはレプリカで何も無いものは本物の展示です。

青いカバ(ルリカ)

古代エジプトではカバは人を襲うナイル川の王者で、エジプト王家ではスポーツ・ハンティングの対象だったそうです。エジプトのミイラに象徴されるように来世で復活することを願い、その強いカバにそれまでの護衛をさせる為に一緒に埋葬したとされています。だからこの青いカバは王家のお墓から見つかっています。

ファイアンスと呼ばれるエジプト独特の焼き物である青いカバに描かれている模様はナイル流域の植物や鳥でひとつひとつが違うデザインです。ニューヨークのメトロポリタン博物館にある青いカバが一番有名で名前はウィリアム。他にはイギリスの大英博物館やフランスのルーヴル美術館に所蔵されています。この中近東文化センターにあるのは公募で名前が決まったルリカ。

たぶん、日本で常設でみれるのはここだけではないでしょうか?

青いカバ(ルリカ)前20世紀 中近東文化センター
青いカバ(ルリカ)前20世紀 中近東文化センター
青いカバ(ルリカ)前20世紀 中近東文化センター

 

モザイクタイル

イルハーン朝時代の射手座文モザイクタイル 中近東文化センター

 

ミイラの彩色木管蓋(もっかんふた)

ミイラの彩色木管蓋 中近東文化センター

本物を近くで好きなだけ見るのは他の博物館ではなかなか難しいと思います。

ミイラの彩色木管蓋 中近東文化センター
ミイラの彩色木管蓋 中近東文化センター

 

羊像頭部 伝イラン 前1千年後半 

羊像頭部 伝イラン 前1千年後半 中近東文化センター

 

アヌビス

アヌビス(エジプト) 前1580~1200 中近東文化センター
アヌビス(エジプト) 前1580~1200 中近東文化センター

 

鹿像と山羊(共に青銅)

中近東文化センター

 

ファイアンス

青いカバと同様にファイアンスで作られた像

ファイアンス(エジプト) 前3~後1世紀 中近東文化センター
ファイアンス(エジプト) 前3~後1世紀 中近東文化センター

 

スタンプ印章と円筒印章

新アッシリア 新バビロニアのスタンプ印章と円筒印章 中近東文化センター
新アッシリア 新バビロニアのスタンプ印章と円筒印章 中近東文化センター
新アッシリア 新バビロニアのスタンプ印章と円筒印章 中近東文化センター
シリア(バビロニア並行黄)スタンプ印章 中近東文化センター

 

象牙製飾板

象牙製飾板 イラクニムルド 前9~7世紀 中近東文化センター

 

ラスター彩文細頸瓶(さいもんさいけいびん)

ラスター彩文細頸瓶 イラン 13世紀 中近東文化センター
ラスター彩文細頸瓶 イラン 13世紀 中近東文化センター

 

通貨

銀貨 中近東文化センター

元々三笠宮殿下はキリストの聖書を原文で読んでみたいというところから中近東の歴史を調べることになったので、文字に関する展示物もたくさんありました。

 

★ハンムラビ法典の石板

「目には目を、歯には歯を」という言葉が有名なハンムラビ法典。

ハンムラビ法典(レプリカ)バビロニア、スーサ、前1760年 中近東文化センター

 

★オベリスク

古代エジプト時代に神殿などに建てられた記念碑で円筒形の形をしたものが多いです。下写真はマニュシュトゥス王が、首都キッシュと他の三つの町の近郊の耕地を購入した記録。土地の広さ、位置、価格、売り主などが記載されています。

オベリスク 中近東文化センター

 

ロゼッタストーン

ナポレオン軍の兵士が発見したヒエログリフ(象形文字)、デモティックとギリシャ文字の3種類の文字で書かれ、プトレマイオス5世の功績を称えた記念碑であるロゼッタストーン。文字の解読には多くの人が挑み、破れ、シャンポリオンに解明されるまでに23年かかったと記録されています。

ロゼッタストーン(レプリカ)中近東文化センター

 

今でも日本全国の国立博物館で開かれる大エジプト展は大盛況で、ものすごい行列の中観賞することになります。しかしこの中近東文化センターではゆっくりと見る事ができ、とてもいい時間でした。

上記で紹介した以外にも色鮮やかで人気のトルコ食器の初期のものの完成度の高い作品や楔(くさび)文字を実際に書いて体験できるコーナーなど多岐にわたって展示されていますので、お時間を作って行ってみてはいかがでしょうか?

 

ホームページ

 

アクセス

名前:中公益社団法人 中近東文化センター
住所:東京都三鷹市大沢3-10-31
TEL: 0422-32-7111
時間:10:00~17:00
休み:木曜、土曜、日曜、祝日

前日までに要予約

バス利用

★JR中央線武蔵境駅南口より小田急バス10分 西野下車【2.国際基督教大学行(境93)3.狛江駅・狛江営業所行(境91)4.吉祥寺駅行(吉01)】
★JR中央線三鷹駅南口より小田急バス15分 西野下車 
【5.調布駅北口行(鷹51)(大沢コミュニティセンター経由)5.武蔵小金井駅行(鷹51)(府中運転免許所経由)5.国際基督教大学行(鷹51)】
★JR中央線吉祥寺駅南口より小田急バス30-35分 西野下車【3.武蔵境駅南口行(吉01)】
★小田急線狛江駅より小田急バス35分【2.武蔵境駅南口行(境91)】
★京王線調布駅北口より小田急バス20分【11.武蔵境駅南口行(境91)】

車利用
★調布IC立川方面出口より 上石原交差点右折、天文台通りへ ※駐車スペースに限りがございますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。

 

2019年6月12日

Posted by hana