見渡す限り真っ白な鍾乳洞☆星野洞(ほしのどう)【南大東島】
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Hoshinodou-cave in Minamidaitoujima-island has the pure white limestone everywhere (Remote-island near Okinawa). Please click translation function on the upper right side of the screen.
南大東島(みなみだいとうじま)について
うちなーぐち(沖縄の方言)で南大東島(と北大東島も含む大東諸島)を「うふあがりじま」と言います。「うふ」は大きい、遠いという意味で、「あがり」は東という意味です。つまり沖縄本島からみて遠く東にある島という意味です。
沖永良部島と同じくサンゴの石灰質で出来た南大東島は鍾乳洞(しょうにゅうどう)の島と呼ばれていて、100以上の鍾乳洞があると言われています。
沖縄から南大東島への行き方
星野洞
南大東島で一番大きな鍾乳洞を観光地化するときに、その土地の所有者であった星野さんの名前がつけられて星野洞となったそうです。星野洞はサトウキビ畑のど真ん中にあります。
※鍾乳洞の多くは地下にあるため、森や畑のど真ん中にあります。探検型の鍾乳洞【南大東島内にある秋葉地底湖や沖縄にある宜野座(ぎのざ)鍾乳洞や沖永良部島の大山水鏡洞など】は特にその傾向があります。
星野洞への入り方
星野洞の敷地内に案内所がありますので入館料を払ってタブレットとスピーカーと懐中電灯を受け取ります。星野堂の入り口の鍵を開けてもらったら係りの人は事務所(案内所とは別です)に帰ってしまいます。つまりオンシーズン以外に星野洞に行くと学術的にも価値の高い鍾乳洞を貸し切り状態できます。
ちなみに私と一緒に星野洞に行った友達は来るのは2度目で、前の時は大東訛り(だいとうなまり)の島の人が吹き込んだ音声案内のカセットテープが入ったラジカセを自分で洞内に持ち込んで持って歩いたそうです。それはそれで味があってよかったと言ってました。
いざ星野洞へ
洞窟の入り口は密閉した空間を作る為に2重扉になっています。まずはきれいに整備された長いスロープを歩いて行きます。
そしてたどり着ついた先にある分厚い扉を開けて鍾乳洞に入ります。入った瞬間はものすごい湿気で一瞬にして汗がじわっと吹き出します。湿度は90%あるそうです。しかしこの暑さはそれだけこの洞窟は外気に触れることなく密閉されているということなのです。鍾乳石(しょうにゅうせき)は外気中の酸素に触れると酸化して黒くなるため、ここまで全体が真っ白な鍾乳洞が保たれているのです。
ソーダストロー
鍾乳石の始まりは一滴の雫(しずく)が滴(したた)って天井にリング状に広がります。それが次々に重なっていくと細い管(くだ)状のものに成長してソーダストロー(鍾乳管)と呼ばれる中空状の細長い鍾乳石が生まれます。ソーダストローはとても脆(もろ)く壊れやすいですがこの星野洞では多く見る事ができます。中には1メートル70センチのソーダストローもありました。
氷柱(つらら)石
ソーダストローが成長する過程で管の中がふさがれてしまったり、滴る水量が増えてくると、水はソーダストローの外側を流れ始めます。これが成長すると一般的なつらら状の鍾乳石(氷柱石)へと変わります。100年に1センチずつ成長し、長い年月をかけて長く長く成長していきます。
ヘリクタイト
氷柱石が成長する過程でまっすぐではなく水などの影響で曲がりくねったものはヘリクタイトと呼ばれます(下写真)。
これはとても珍しいそうですが、沖永良部島の鍾乳洞では普通に見ることが出来ます。
石筍(せきじゅん)
またこの氷柱石を伝って地面に流れ落ちた水滴はドーム状に広がって山状に積み重なっていきます。この地面から天井に向かって出来る鍾乳石を石筍といいます。石筍は最初からソーダストローにはならず300年に1センチ伸びます。(下写真)
石柱(せきちゅう)
気の遠くなるような長い年月をかけて氷柱石と石筍がくっつくと石柱(せきちゅう)になります(下写真)。
石柱は時間をかけてどんどん横に太くなっていきます。
カーテン
水の流れる方向でヒダ状(ドレープ)になっているのでカーテンと呼ばれている鍾乳石もたくさん見ることができます(下写真2枚)。
実際に目で見るのには及ばないですが、雰囲気だけも味わえるので動画も取ってみました。
星野洞のもうひとつの役割
普段から観光客や研究者などの人の出入りがあるこの星野洞にはもう一つの役割があります。それはこの島の子供達の為のものです。
実は南大東島には高校がないので中学を卒業すると島を出て沖縄本島の高校に通います。そこで島を出る前、中学卒業記念にそれぞれが名前の書いた泡盛を星野洞に保管し、二十歳の成人を迎えたらまた島に戻ってきてこれをみんなで飲むのです。この風習が映画化されたのが旅立の島唄~十五の春~です。
私はこの風習を知らなかったのですが、鍾乳洞を見学しているときに名前の書いた泡盛が隅の方に剥き出しで保管されているのが見えました。
ホームページ
星野洞
アクセス
名前:星野洞案内所 ※管理会社→(有)大東観光商事
住所:沖縄県南大東村字北64
TEL : 09802-2-4333
入洞時間:9:00~11:00 14:00~16:00
入洞料:大人 800円 小人 350 円(5 才以下は無料)
※通常、鍾乳洞入り口には入洞時間でも鍵がかかっています。案内所に人がいない場合が多いので電話予約しないと入れません。チケットは星野洞案内所か空港内観光プラザで購入出来ます。
南大東島空港から 車で約15分