GSA(ジオスペースアドベンチャー)ツアー☆地下1000mの鉱山とスーパーカミオカンデを体験する【岐阜:神岡】

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Geo Space Adventure Tour 2019☆performed by Kamioka Observatory, Institute for Cosmic Ray Research, The university of Tokyo. Please click translation function on the upper right side of the screen.

 

GSA (ジオスペースアドベンチャー) ツアー

GSA(ジオスペースアドベンチャー)とは東京大学と東北大学、そして岐阜県飛騨市のボランティアスタッフ「GSA実行委員会」が主催する地中探検イベントです。地下1000mの「神岡鉱山内を見学する」ことができ、「東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設(スーパーカミオカンデ)の実験エリア」や「カムランド」などの宇宙物理学最先端の研究施設に行く事ができます。800人の募集に対して1600人の応募があったそうで、なかなか当選が難しい人気のイベントです。あまりに人気の為2019年は11月にもGSAツアーが行われるようなので興味のある方は下記サイトをご覧ください。

私はこのイベントについては全然知らなかったのですが、神岡宇宙素粒子研究施設をTwitterでフォローしていたのでイベント告知を知って申し込み、運よく当選することが出来ました。イベント参加費が1人3600円かかりますがこの参加費用は安いと感じるほどよく工夫されておりとても楽しめました。

 

 

GSAツアーの流れ

ツアーは1回の所要時間が3時間で、1日8回(8便)まであり、2日間開催されます。神岡公民館(神岡振興事務所前)に集合して受付します。

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町

 

カムランドセミナー

受付から25分後に神岡公民館の2階ホールで東北大学の修士学生によるセミナーが始まります。ニュートリノの観測の仕組みやカムランドとは何かを説明してくれます。

その後、公民館入り口でヘルメットを借りてスーパーカミオカンデの入り口(坑口)までシャトルバスで移動します。

地上からスーパーカミオカンデの入り口まで続くトンネル(坑内)にはトイレがないため、トイレを済ませたら冬のコートを着込みます。坑内温度は平均して13度くらいだそうで、すでに入り口でも冷たい風が吹いていました。また、坑内は法律でヘルメット着用が義務づけられている為、ここからはヘルメット着用必須です。

 

スーパーカミオカンデ 坑口 神岡町

 

今度はより小さいバスに乗り換え更に移動します。車幅はギリギリですが、地下1000mに潜るという感覚ではなくバスは割となだらかな道を走ります。すぐ下車して今度は坑内を歩きます。

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー
スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

しばらく歩いて、今度は坑内に設置されたスクリーンで神岡鉱業の採掘の歴史ビデオを見ます。(下写真)

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

ビデオの途中で背中の方で金属音がして振り向くと、裸の若者が二人本物のツルハシを持って登場。見てるだけでも寒いけど体を張ってくれたおかげでダイナマイトの登場でどれだけ発掘が早く進むかが頭に入って面白かったです。(下写真)

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

そして再びビデオ視聴していると向こうから大型重機がやってきます。強いライトの光と、うなりをあげるモーター音でものすごい迫力でした。(下写真)

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

狭い坑内で能力を発揮できるように特別仕様で作られたショベルカーで、なんと運転席にも乗せてもらうことが出来、写真撮影もOKでした。

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

身長160センチの男性と同じくらいの高さのあるタイヤです。(下写真)

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

ダイナマイトを仕掛ける為の穴をあける掘削機。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

すでにこの時点でかなり楽しめていますが、少し歩いて(下写真)スーパーカミオカンデの施設に入ります。

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

スーパーカミオカンデ

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

スーパーカミオカンデの施設といっても実際の検出室は5tの純水で満たされていて真っ暗で、365日実験中なので実際に中に入ることはできません。研究者ですら水抜きした時にしか入れないので殆ど入れないそうです。したがってスーパーカミオカンデの上部施設に入ることになります。

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー
スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー
スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー
スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

銀色の天井の1000m向こう側には山の頂上があります。

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

あらゆる物質の最小単位である素粒子のうちの一つであるニュートリノを観測する時にでる光がチェレンコフ光で、この施設の正式名称がチェレンコフ宇宙素粒子観測施設です。

 

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

東京大学宇宙線研究所付属神岡宇宙素粒子研究施設スーパーカミオカンデの全体図。

 

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

タンク上部で東京大学の教授によるスーパーカミオカンデの解説を聞いたり、施設の説明や研究内容のDVDを見ます。

スーパーカミオカンデ施設内にはノーベル賞を受賞した小柴博士や梶田博士の直筆のサインが飾られていました。

 

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー
スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

再び、坑内を歩いてバスに乗り、坑外に出ます。再びシャトルバスに乗り込み神岡公民館到に戻って解散です。

 

カミオカンデ関連施設のイベント

私は受付時間よりも早く来たので関連施設のイベントは先に楽しみましたが、他の参加者たちはGSAツアー終了後にイベントを楽しんでいました。

 

カミオカンデオリジナル新聞

神岡公民館の1階のイベントスペースは3つあり、1つ目は中日新聞ブース。

その場で写真撮影をしてオリジナル新聞をプレゼントしてくれます。(下写真)時間にして5分もかかりませんでしたが、これは大人から子供まで喜んでました。

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 中日新聞

 

2つ目のブースはヤクルトがヤクルトライトを無料配布していました。

 

J-PARC(大強度陽子加速器施設)

そして3つ目、J-PARC(大強度陽子加速器施設)の展示スペースです。(下写真)J-PARCは茨城県のつくばにあり、大強度ニュートリノビームを作ってスーパーカミオカンデに打ち込み、ニュートリノの謎を解明する実験をしています。

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 J-PACK

 

イベント会場は3階にもあり、2つのブースがありました。

 

神岡鉱業(かみおかこうぎょう)

1つはスーパーカミオカンデの建設に関わった神岡鉱業のブースで、神岡鉱業は元々鉛・亜鉛などの非鉄金属を採掘していた会社です。スーパーカミオカンデは採掘が終わって使われていない坑道を広げて作られた実験施設です。このブースではスーパカミオカンデがある池ノ山から採掘時に出てきた閃亜鉛鉱などが展示されていました。

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 神岡鉱業

 

スーパーカミオカンデのVR体験

もうひとつは浜松ホトニクスのブースです。スーパーカミオカンデ内にある金色に光る20インチ径光電子増倍管を11,200本作った会社です。その11,200本設置された水槽の中にいるようなVR体験がこのブースでは出来ました。(下写真)

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 VR体験

 

それぞれのブースを回ってクリアファイルやカンパンなどお土産もたくさん頂きました。

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 展示イベント スタンプラリー

 

J-PACK、神岡鉱業、浜松ホトニクスのブースでスタンプを集めると(下写真)

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町 スタンプラリー

 

ガラガラ抽選でレアプレゼントが当たります。私は木魂(もっこん)神社でお祓い済みの合格祈願鉛筆(飛騨杉)と素粒子実験の測定器で撮影されたカメラフィルムのしおりが当たりました。(下写真左)また、このGSAツアーのアンケートに答えるとスーパーカミオカンデのポストカードが貰えました。(下写真右)

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡  展示イベント スタンプラリー

 

GSA限定お土産コーナー

GSAツアー限定のお土産が面白かったです。写ってませんが、ダークマターTシャツとかも売ってました。

 

GSAツアー スーパーカミオカンデ 神岡町

 

ここでしか買えないのは暗黒まんじゅう、ニュートリノダクワーズとスーパーカミオキャンディ ニュー(乳)トリノ味です。(下写真右)神岡えごまクッキーと小豆のとっかんは神岡公民館のすぐ近くにある道の駅スカイドームで売っていました。(下写真右)小豆のとっかんは地味な見た目ですが、試食したら止まらない美味しさで即購入しました。

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー限定お土産

 

暗黒饅頭はよく見ると包装用紙にうっすらと印刷されてました。ダークマターを表しているんでしょうね。

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー限定お土産

 

「暗黒まんじゅう」は胡麻が香る皮の中に甘さ控えめのあんこが包まれていました。(あんこ食うまんじゅう・・・だそうです)

 

スーパーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー限定お土産

 

私は参加後にお腹が空いたので軽食の屋台ブースで食べました。下写真に写っているのがラーメン屋さんで、その奥にはカレーと焼き鳥屋さんがあり、小腹を満たすにはちょうど良かったです。特にその焼き鳥は飛騨の地鶏を使っているので味が濃く美味しかったです。

 

パーカミオカンデ 坑内 神岡町 GSAツアー

 

倍率が高いのでなかなか当選は難しいですが、GSAツアーはとても楽しかったので是非応募して参加してみて下さい。科学館や博物館では得難い体験ができます。またGSAツアーは事前に申し込みする時は自分で出発する便を選べます。4便(10時出発)や5便(11時出発)がちょうどお昼ごはんの時間と被るので狙い目かもしれません。

 

アクセス

名前:GSA(ジオスペースアドベンチャー)
集合場所:神岡町公民館(岐阜県飛騨市神岡町東町378)
TEL:0578-82-4020(平日8:30〜12:30)飛騨アカデミーGSA実行委員会事務局
参加費:3,600円(大人・子供共通)※シャトルバス運賃を含みます

 

スーパーカミオカンデ上部 神岡町 GSAツアー

 

※スーパーカミオカンデは現役のニュートリノ観測装置であり、イベント中も観測を続けているため写真で有名なタンクの内部を見学することは出来ません。また地下1000mの坑内の平均気温は、1年を通じて13~14℃です。その坑内に約3時間滞在することになる為冬の上着は持参しましょう。とても寒いです。

 



Posted by hana